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明治の剣客、得能関四郎の脳卒中後自殺

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先日、講演会で光トポグラフィ・TMS・DBS:電気ロボトミーを嬉しそうに語る医者の話を聞いたのだが、一応その医者の専門である外因性精神障害は一定の聞く価値があった。しかし、精神科医の中核的領分は内因性と心因性であり、その医者の守備範囲は精神医学の範疇からははずれつつあるわけだが。要するに脳梗塞後の抑うつ状態は器質的なものであり抗うつ薬の治療対象であるという内容である。これはアメリカでは心因説との論争があり、器質性(外因性)説によって抗うつ薬治療を長年行ってきた精神科医がいて、講演した精神科医もその人に学んだという話である。それで思い出すのが、明治の元勲井上馨について暇つぶしに調べた話である。彼が鹿鳴館で真剣や木刀を持った11人の暴漢に襲われた事件があったそうだ。その時に警視庁所属の1人の剣客がステッキで全員を倒したという逸話である。「小手」の達人だった得能関四郎が11人の手首をステッキで砕いたのは45歳の時だった。
精神科医ブログ、広島長崎原爆・福島原発放射能、第二次大戦、児童虐待・DV・レイプのトラウマ(複雑性)PTSDの心理・薬物融合療法発見-ファイル0110.jpg写真中央

しかし彼は67歳の時に小刀で喉を掻き切って自殺している。脳卒中で倒れて半年後の話である。
先の研究によれば、脳梗塞後に抗うつ薬さえ服用すれば自殺しなくてすんだという話になる。

しかし、ステッキ一つで11人の暴漢の手首を砕いた剣客が、脳卒中により不自由になった身体への悲哀が抗うつ薬だけで回復するものだろうかとも思いたくなる。


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