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偽脳科学とインフルエンザ流行

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この7年で2回目の流行だった。精神科病棟は窓が大きく開かないようにしてあるから、換気には限界がある。単独外出許可してる患者には「外の空気を吸いに行きなさい」と言ってたが気休めである。前の流行と同じく三割が感染発病した。しかし、密閉された空間にウイルスは充満してるのに10割ではないのである。
「同じ外傷体験によっても全員PTSDになるわけではないからPTSDという病気はない」と無茶苦茶なことを言う馬鹿がいるがウイルスですらこうなのである。

体力のない患者が感染発病せず体力のある患者が感染発病したりする(発病すると体力の有無は病状を左右するが)。「弱いから発病する」わけではないのはウイルスもトラウマも同じ。

今回は最初発熱するがすぐに解熱した。それでも抗体検査でウイルスはそこにあるのである。映画「プレデター」とかで赤外線で「熱」を感知する機械が出てきた。
この機械だけでインフルエンザを診断したら解熱したら消えたことになる。実際にはウイルス抗体検査が決め手である。しかし、「サーズ」パニックの時にはしょうがないから空港でこの方法で「とりあえず診断」してた。
ファイル00980003.jpg
このおもちゃは「脳」の何かを示しているのだろうが、「遺伝性脳病」とも「心の病」とも直接の意味のある関係はないのである。それはウイルス感染症を体表熱感知器で「診断」してるのと同じことである。


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